部下を持つ立場として、日々の業務の中で避けて通れないのが「 部下への指導 」の場面です。
その指導を「人前で行うべきか」、「1対1で行うべきか」は多くのリーダーが直面する悩みの一つです。今回は、それぞれの方法のメリットとデメリットを考え、どのような状況でどちらの指導法を選ぶべきかについて考えてみましょう。
部下への指導 を「人前で」する場合のメリットとデメリット
ハラスメントが叫ばれるようになってから、人前で指摘することをとにかく避けるリーダーも増えているとは思いますが、メリット・デメリットそれぞれありますので、見てみましょう。
メリット
- 透明性の確保: チーム全体に対して同じ基準での指導が行われるため、公平感が高まり、透明性が確保されます。
- 学びの機会: 他のチームメンバーも同じミスを避けるための学びの機会となり、全体のスキルアップに繋がります。
- 一貫性の向上: チーム全体に一貫したメッセージを伝えることで、目標や方向性が明確になります。
個人的な話ではなく、部署(チーム)で行っている仕事に関わる指摘であるならば、上記のメリットが示すように、人前で指摘をした方が生産性アップにつながりやすいです。
デメリット
- 恥ずかしさとストレス: 指導を受ける側が人前で叱責されることで、心理的な負担が増し、モチベーションが低下する恐れがあります。
- 職場の雰囲気への影響: 公の場での指導が過剰になると、職場全体の雰囲気が緊張感に包まれ、チームの士気が低下する可能性があります。
個人的な指摘だったり、指摘する社員がチーム内で浮いている存在の場合は、人前で指摘することでセンシティブな雰囲気になります。
また、指導する側の上司である自分自身が浮いている時にも、同じようなセンシティブな空気が流れることがありますので注意してください。
部下への指導 を「1対1で」する場合のメリットとデメリット
パワハラを避けたはずの個別指導にも、メリット・デメリットがあります。
メリット
- プライバシーの確保: 個別の指導により、受け手がリラックスしやすく、フィードバックを冷静に受け入れることができます。
- 深い対話の機会: 個別の状況に応じた具体的な指導が可能で、個々の成長に繋がります。
- 信頼関係の構築: 1対1の指導を通じて、リーダーと部下の間に深い信頼関係が築かれやすくなります。
個人的な問題であったり、経緯を聞かなければいけない話、人間関係が微妙な様子が少しでもあれば、それは1対1で話を聞いた方が良い事が多いですね。
デメリット
- 透明性の欠如: 1対1の指導は他のメンバーに共有されないため、指導内容の一貫性が失われる可能性があります。
- 時間の制約: 個別指導は時間がかかるため、リーダーのスケジュール管理が難しくなる場合があります。
チームの全員に1対1での指導を行っていると、本当に時間がかかります。
また、クローズな環境の中で部下の話に合わせながら聞いて、話をしていると、話の方向性が少しずつずれることで、いわゆる「二枚舌」のようになってしまい、後に上司としての信頼を失うリスクもあります。
適切な指導法を選ぶためのポイント
「人前での指導」と「1対1での指導」の両方を、相手や状況に応じて使い分けていく必要があります。
どちらの指導法を選ぶべきかは、以下のポイントを考慮して決めると良いでしょう。
- 状況と内容: ミスや改善点がチーム全体に関わるものであれば、人前での指導が適しています。個別のスキルや態度に関するフィードバックであれば、1対1で行う方が効果的です。
- 部下の性格: 指導を受ける部下の性格や感情を考慮することが重要です。人前での指導がプレッシャーになるタイプには、1対1の方が適しています。
- 目指すゴール: 指導の目的がチーム全体の士気を高めるものであれば、人前での指導が有効です。一方、個々の成長を目指す場合は、1対1の指導が適しています。
まとめ
リーダーとして部下を指導する際には、状況や部下の性格、目指すゴールに応じて適切な方法を選ぶことが大切です。どちらの方法も一長一短がありますが、柔軟に対応することで、チーム全体の成長と個々のスキルアップを図ることができます。
部下の気持ちを「普通だったらこうに違いない」「このくらいの壁(恥ずかしさや傷心)乗り越えて当り前だ」と決めつけず、きちんと聴いていきましょうね。
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