「独り言がうるさい人への対処方法」「仕事をしない人への対処方法」など職場の困った人への対処方法について書かれたブログやコラムは沢山ありますが、なぜか「 女性差別 をしてくる人への対処方法」を検索すると、お堅いサイトしか表示されないことをご存知でしたか?
一人の女性の立場からすると、独り言がうるさい同僚よりも 女性差別 をする人と職場で遭遇する確率の方がはるかに高いわけで、「そんな時みんなはどうしてる?どんな対応をして、どんな風にストレス発散してる??」というのをもっと気軽に知って、向き合っていきたいと思ってしまいます。
この記事では、ジェンダー区分を「男性」と「女性」の2つのみで語っています。その他のジェンダーの方に対して配慮の行き届かない記事のなる可能性がございます。ご容赦ください。 もしよろしければ、「女性」=差別被害側としてお読み頂くことで、ご理解いただける場合もあるかもしれません。
女性差別 をする人への対処方法を検索すると
[ 女性差別 をする人への対処方法 ]の検索結果には政党や内閣省庁、法務関係団体、都道府県庁などのホームページがずらりと並びます。
その内容はというと、
- 性差別をしてはいけないと法で定められている
- 職場で差別に合った場合は上長に相談して、事業所内で自主的解決を図るよう努めなければいけないが、事業所内で自主的解決が難しい場合は、調停の制度が利用できる
- 日本の男女平等指数は120位前後
- LGBT、トランスジェンダーに対して偏見、差別をしてはいけない
- SDGs
- 上記のような内容に関する各自治体の宣言
という感じです。
サイトの中を見ると仰々しい内容と、データが並んでいて、その対策も机上の空論ばかり。
でも、日常の中で女性として差別を受けて悩んでしまった時に私たちが知りたいのは、
こんな時みんなはどうしてる?
職場でサラッと日常的に差別してくる人に対して、どんな対応をしてる?
昭和の頃と同じように笑って流すべき?
後輩達のために戦うべき?
その後にどんな風にストレス発散してる??
ということ。
もっと気軽に知って、乗り越えていきたい。そして、わたしたちが何に傷付き怒っているのかということを、もっと気楽に伝えても良いのではないでしょうか。
何が 女性差別 なのか
被害者が「女性を理由に差別された」と感じる場面と、加害者が「女性を理由に差別した」と認識している場面は同じでしょうか?
仕組みとしての 女性差別
法律や組織内の仕組み、もしくは国家や地域、宗教の慣例として行われている女性差別は、例えば次のようなものがあげられます。
- 国際結婚をすると妻は夫の国籍になること
- 結婚すると妻は夫の姓になることを
- 本人の意思を無視して、10代前半で親や家族が決めた相手と勝手に結婚させる
- 人身売買とその後の性的搾取
- 教育格差
- 賃金格差
- 女性の就ける役職に上限があったり、女性にのみ昇進条件(必要勤務年数など)を設ける
自分を取り囲む大きな仕組みにより受ける女性差別は絶望し、無力感を感じて向かい合うことすら諦め受け入れてしまう女性も多いです。
そして、産まれた時からの自分達の文化、風習として疑問にすら感じていないこともあるかもしれません。
日常の中の 女性差別
一方、日常的な生活の中で行われる女性差別はイラ立ち、悲しみ、怒りを感じ、ストレスになりますよね。
パートナーや親兄弟から行われる女性差別もあり、受け入れなければ生活ができず、「しょうがない」と折り合いをつけて生活して、いつの間にか受け入れてしまっていることもあります。
日常的な女性差別とは、例えばこういう差別だそうです。
- 強制わいせつ行為、強姦
- ドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence)
- 性的な内容の発言や、性的な行動
- 家事や育児は女性の仕事だと決めつけているような言動、態度
- 重要な仕事を任せてもらえない、仕事の成果を期待されていないような言動、態度をとるなど、女性が働くことに対して理解がない、少ない、限定的
- 産休、育休を取得しにくかったり、取得にあたり肩身の狭い思いをする
- 女性の「付き合い」に対して理解がない、少ない、限定的
- 生理などの女性特有の体調変化に対して理解が少なかったり、差別的な言動、態度
- 仕事や趣味で女性に負けることが許せず、嫌がらせをしてきたり負けるように求められる
- 男性を立てる言動をするように求められる
- マンスプレイニング (「女は男より無知だ」というジェンダー的偏見から、男性が女性に対して偉そうな態度や見下すような態度で、知識をひけらかしたり解説したりする行為)
- 「女性らしさ」の強要(服装、髪型、メイク、立ち振る舞いなど)
- 飲み会などの場で真ん中に座らせたり、お酌を強要されるなどコンパニオン扱いをされる
- 少しでも感情を出すと、ヒステリーと決めつけられ、意見を聞いてもらえない
女性差別 の背景
家事分担による 女性差別
日本のみならず世界の多くの国では、古くは「男性が外で働き」「女性は子を産み家事をする」という労働分担でした。それは、労働=狩りや農業などの肉体労働 であったため、必然的に女性は子供を身ごもってからしばらくは労働に就くことができないためだと思われます。
しかし今でも貧しい国ほどその慣習は残っていて、貧しい国々では、こうした考え方が顕著に残っているため、小さい頃から家を支えている女性も多く、学校教育も満足に受けられないまま、望まない結婚、妊娠、出産を迎える少女が世界にたくさんいると言われています。
先進国である日本でも、働くチャンスや必要性があっても、「家事や育児は女性の仕事」という慣習や認識が根強く残っているために働く時間や内容を確保できない事実があります。
宗教による 女性差別
イスラム教では男性より女性の方が身分が低いという考えがあり、東南アジアのイスラム国やサウジアラビアなどの保守的イスラム国でのジェンダー差別につながっているとされます。女性が外を出歩く際にスカーフを巻くことを義務とされている話は有名ですね。
ヒンドゥー教にも結婚に関して女性差別に該当する慣習があります。キリスト教にも旧約聖書の中での女性蔑視や魔女狩りの歴史があります。
日本より仏教が熱心なタイ王国では、女性と接触してしまった僧侶は全ての徳を失うことになり、それまでに積んで来た修行がリセットされてしまうそうです。公共交通機関などで隣に座ることも避けなければならず、女性が僧侶に話しかける際には距離を取らなければいけません。
男性優位社会維持のための 女性差別
男女には肉体的に違いがあります。男性の方が身体が大きく、女性の方が華奢であるという違いで、原人であるホモ・エレクトスの時代からあったとされます。
この時代は生きていくために肉体的パワーが高い方が良いでしょうから必然的に男性優位な社会であったことが伺えますし、法や宗教などありません。生きていく力のない従わない女性は殺されてしまうことでしょう。
時は流れ、男女に体格差を必要としなくなった現代社会は、男性を優位とする必要がなくなりました。自分自身の体に力が無くても、道具とお金で解決できます。わざわざ「男性」を優位とすることにメリットのない社会になったのだと思います。
それでも長く続いた男性優位時代を維持したい人や憧れ、捨てきれないプライドから、女性蔑視を続ける男性がまだまだそこら中にいますね。
なぜ 女性差別 を気軽に語ってはいけないのか
女性差別について取り扱うと炎上するらしいです。
なんで私たちの日常の悩みを語っちゃダメなの?
毎日、いろんなところで困っているのに、困っていることもいっちゃダメなの?
女性差別撤廃運動をすると攻撃的なメッセージが日に何通も送られてくるそうで、活動家の方たちも自死を考えるような思いをしたと語られています。
たしかに、女性であるわたしが女性差別を受けた際に、「えー、女性だからってひどーい(笑)」という発言をした時の空気のピリピリ感はびっくりします。
個人的には「今回は冗談で流すから、その言動が女性差別だと理解して、次からは気を付けてほしいな~」という配慮と気持ちなのですが・・・
とにかく男女問わず周りにいる全員がピリピリし出すのです。
周りにいる人数が少人数だろうが、大人数だろうが、二人きりであってもです。誰も目を合わせてくれなくなります。
もしかすると男性は『女性差別をしている器な小さな自分』が受け入れられないのかもしれませんね。
日常的な 女性差別 を受け入れている理由
身体的特徴による恐怖
様々な理由があるかもしれませんが、女性が女性差別を安易に受け入れ、女性が男性のプライドを守るのは、自分より身体が大きく力も強い相手から暴力を振るわれのが怖いからです。
もし女性が、その恐怖心を乗り越えて不満を伝えた時、それは本当に傷付いて、でもどうにかこれからも一緒にいたいという精一杯の寄り添いです。
なぜなら、もう一緒にいたくないと思っていたら、不満を伝えずに去るからです。
どうか男性はその勇気を受け入れてください。
安定した生活を送りたいという気持ち
男女差別やセクハラを訴えた場合、どんなに明らかな証拠があったとしても、自分もダメージを受けることになります。
相手に相応の制裁を与えることができて、自分の地位も守ることができても、「うるさい女」「自意識過剰」などの風評被害を受けることが多々あります。
そして「現状を受け入れる方が楽」となってしまい、差別的な振る舞いも笑ってながしてしまいます。
頑張りは誰かが見てくれていて、いつか報われるという希望
世の中の多くの人は、
“この世の中は公正で、頑張っていれば誰かが上から見てくれていて、いつか努力が報われる日がくる”
と信じています。
まぁ、信じていなければやってられない、という側面もあると思いますが…。
しかし、この思考の行き末には、
“自分が被害にあったのは、自分の至らなさのせいだ”
という思考になり、被害に合った場合も自分を責めるようになります。
その結果、差別を受けても「自分が悪かったのではないか」と思うようになり、戦うことをしません。
女性差別 への対処方法
女性という立場に甘えない自分になる
厳しい言い方になりますが、女性という立場に甘えているうちは、女性差別されても仕方がありません。
自分に都合の良い時だけ、女性という立場を利用するのも良くないです。
自分でも差別について勉強する
ジェンダー差別に関わらず、何が差別であるか、『差別』ということについて向き合いましょう。
差別について無知な人は訴える被害は、感情的で、ヒステリックに見えがちです。
差別と感じた根拠、内容について、しっかりと人に語れる準備をしましょう。
自分の意思を示そう
いかなる差別やいじめは「本人の意思を無視して、何かを強要したり、何もさせないこと」です。
そのため、女性差別をなくすためには、差別をしてくる人に対して『No!』と自分の意思を示すことが第一歩です。
あなたは意思を示せるチャンスが来た時に、自分の意思を示せる女性ですか?
まとめ
女性差別 には多くのパターンや、宗教などの根深い問題もあります。
人間はひとりひとり違っていて差がありますし、人間の感情は時と共にどんどん複雑になってきています。
どんな差別もまずは差別を知ること。
そして、差別している人を見つけて責める前に、自分自身の行動を振り返ること。
知らないうちに自分も差別をしているかもしれませんよ。
最後に、日常の差別ストレスからは早く立ち直ることが大切です。
白川さんのストレス対応も参考になりますよ!
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